
こんにちは。ござるです。
公務員を目指すときに必ずと言っていいほど出てくるのが、「国家一般職と地方上級、どっちが良いのか?」という悩みです。



僕も受験生の時は、最後まで悩みました。
実際には、この2つは同じ「公務員」でも性質が結構違います。
仕事内容の幅、転勤の有無、試験の傾向まで、それぞれ特徴がはっきり分かれています。
この記事では、「国家一般職=出先機関勤務」を前提に、地方上級(県庁・市役所)と徹底比較していきます。
リアルな視点で書いているため、読み終える頃には、「自分にはどちらが合っているのか」が見えてくるはずですよ!
国家一般職と地方上級のざっくり比較【早見表】
比較ポイント | 国家一般職(出先機関) | 地方上級(県庁・市役所) |
---|---|---|
仕事内容 | 特定分野に特化、専門性を磨ける | 数年ごとに異動、多様な業務を経験 |
残業 | 出先は比較的マッタリ、定時帰りも可能 | 部署次第で激務あり |
給料 | 大きな差はなし | 政令市などはやや高めな場合も |
福利厚生 | 充実している(働き方改革も進む) | 充実している |
転勤 | ブロック内+本省勤務の可能性 | 県庁=県内、市役所=市内のみ |
出世・キャリア | 専門職キャリア、本省登用の道あり | 管理職登用あり、地域の中核を担う |
試験傾向 | 筆記重視(約8割が筆記) | 面接重視 |
「仕事内容・やりがい」の違い


国家一般職(出先機関):専門分野でエキスパートを目指せる
国家一般職の出先機関は、特定の分野に特化して働くのが特徴です。
労働局なら労働分野、法務局なら登記や戸籍などの分野に。基本的に配属される官庁の分野に沿った仕事を続けることになります。
同じ分野で知識や経験を積み重ねていけるので、専門性を高めたい人にはかなり向いているんですよね。
なにかの分野に対してすごく興味がある人にはオススメといえます。



逆に言うと「いろんな仕事を幅広くやってみたい」というタイプだと、ちょっと物足りなさを感じるかもしれません。
地方上級:幅広い業務を経験できるゼネラリスト
県庁や市役所の職員は、数年ごとに異動があり、仕事内容が大きく変わるのが一般的です。
例えば、ある年は住民票や戸籍関係の窓口にいて、次の異動では福祉、その次は人事…みたいな感じ。
部署ごとに全然カラーが違うので、「1つの役所の中で転職してるみたい」と言う人もいるくらい。
エキスパートというより、幅広く対応できるゼネラリストとして育っていきます。



部署異動は、「心機一転新しいことができる楽しさ」と「1から業務を学ばなければいけない大変さ」の両方がありますね。
県庁職員の特徴
県庁職員は、「国と市町村のパイプ役」という立ち位置が大きいです。
例えば、国からの方針や予算を市町村に落とし込んだり、逆に市町村からの要望を国に伝えたり。
広域的な視点で政策に携われるので、「県全体を動かす仕事」にやりがいを感じる人には向いています。
仕事内容としては、産業振興・観光政策・防災・道路整備など、スケールの大きなものが多め。



規模の大きい仕事がしたい人にオススメです。
市役所職員の特徴
市役所は住民に一番近い公務員です。
僕も窓口に配属され、日々市民と関わっています。
正直、クレームっぽい相談もありますが、「ありがとう、助かりました」って直接言ってもらえる瞬間はやっぱりやりがいを感じますね。
異動すれば内部系部署に行くこともありますが、基本的には「住民の生活に直結する仕事」が多いです。
なので、「住民との距離が近い仕事に魅力を感じるかどうか」がひとつ選ぶうえで判断材料になるかなと。



感じる場合は、県庁より市役所がオススメと言えますね!
まとめ
- 専門性を身につけたい → 国家一般職
- 幅広い業務を経験したい → 地方上級
- 規模の大きい仕事がしたい→県庁(地方上級)
- 住民と身近に関わる仕事がしたい→市役所(地方上級)
「給料・福利厚生」の違い


基本給はほぼ同じ
結論から言うと、国家一般職と地方上級で給料に大きな差はありません。
初任給もほぼ横並びで、23万円前後からのスタートです。(2025年現在)
ただし、政令指定都市などの大きな自治体になると、国より給料水準がやや高いこともあります。
逆に小さめの市町村だと、国より低めになるケースもあるので「どちらが絶対に高い!」とは言えません。
どちらも年功序列で上がっていくので、安定はしています。
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ぶっちゃけ、若手のときは給料安いですが…
手当・休暇制度も似ている
どちらも公務員なので、手当や休暇はかなり充実しています。
- 勤勉手当(ボーナス)
- 扶養手当(配偶者や子どもがいると支給)
- 住居手当(家賃補助)
- 通勤手当(公共交通機関やマイカー通勤の実費支給)
- 地域手当(都市部だと基本給に上乗せ)
このあたりはほぼ同じ。
休暇に関しても
- 国家一般職:年次休暇20日+夏季休暇3日
- 地方上級:年次休暇20日+夏季休暇5日(自治体によって差あり)
充実してます。(嬉しい)



市役所で実際に働いていますが、休暇はすごく取りやすいですね
長期的に安心して働ける制度もある
さらに国家・地方どちらも、産前産後休暇・育児休業制度が整っています。
公務員は民間よりも育休取得率が高めで、女性はもちろん男性も取りやすい環境です。



結婚や出産を見据えて「長く働きたい」と考える人にとって、この安定感はかなり大きなメリットですね
まとめ
- 給料はあまり差がなく、福利厚生はどちらも充実している
「残業・働きやすさ」の違い


国家一般職:出先機関は比較的マッタリ
国家一般職の出先機関は、全体的に残業が少なめです。
部署にもよりますが、定時で帰れるところもあり、ワークライフバランスを重視したい人にはかなり魅力的です。
ただし、もちろん国家一般職といえども部署次第で忙しいところは存在するので、ラクというわけではないですが。
それでも平均すると、地方上級よりは残業が少ない傾向にあるとは思いますね。



本省勤務より出先機関のほうがホワイトな傾向にあるよ
地方上級:部署によってはホワイト・激務もアリ
一方で、県庁や市役所は部署ごとの忙しさの差がかなり大きいです。
定時で帰れる部署もあれば、毎日のように残業続きの部署もあります。
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市役所で働いていて思うことは、マジで部署次第だなって感じです
ぶっちゃけ運ゲーですね。
さらに、近年は業務量が増える一方で職員数が減っているので、現場の負担はじわじわ増えている感があります。
なので、地方上級=完全ホワイトってのはちょっと違うかなって感じですね。
働き方改革の流れは国の方が先行
近年、国家公務員は働き方改革のモデルケースとして扱われることが多く、制度面での改善が先に進んでいます。
具体的には
- フレックスタイム制(1週間あたり38時間45分になるように勤務時間を割り振る制度)
- 早出・遅出勤務
- テレワーク制度
こうした柔軟な働き方が既に導入されています。
さらに「週休3日制の導入を検討」といったニュースもあります。(話が進んでいないけど)



国の方がまず新しい制度を試し、そのあと地方に広がっていく流れになっていくとおもうので、「柔軟に働きたい」って人にとっては、国家一般職の方がちょっと魅力的かもしれませんね。
まとめ
- 国家一般職:部署次第も出先機関は比較的マッタリ
- 地方上級:部署によっては激務もアリ
- 働き方改革の流れは国の方が先行
「転勤と働く場所」の違い


国家一般職:全国・ブロック内転勤+本省勤務の可能性あり
国家一般職は、転勤の範囲が広めです。
試験を受けたブロック内での転勤が基本ですが、場合によっては本省(霞が関)勤務になることもあります。
「国家公務員」なので、国単位で転勤になる可能性があるのは避けられません。
「地元で一生働きたい」というタイプにはちょっとハードルが高いかもしれませんが、逆にいろんな場所で経験を積みたい人には良いかもですね。
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ただし、引っ越しや生活環境の変化が避けられないので、家族がいる人や安定した生活を重視する人には負担になることもありますね。
「国家一般職でも転勤がない官庁はないの?」と思っている人は、【公務員】国家一般職で転勤がない出先機関を解説します!【地方勤務】の記事で詳しく解説しているので、良かったら見てください。
地方上級:県庁→県内異動あり 市役所→市内異動あり
県庁職員:県内異動あり
県庁職員の場合、転勤は県内に限られます。
県庁所在地の本庁と、各地域にある出先機関の両方に配属される可能性があります。
ただ、県の面積が広いところだと、異動先が自宅から遠く、単身赴任や引っ越しになることも。



自分の志望する県がどのくらいの大きさか見ておくと良いと思います!
市役所職員:市内のみで安定
市役所職員は、基本的に市内でしか異動がありません。
これが大きなメリットで、転勤による引っ越しや生活の変化はほぼゼロ。
私自身、市役所で働いていますが、勤務地が変わっても同じ市内なので通勤環境が大きく変わることはありません。



地元で腰を据えて暮らしたい人、ライフプランを安定させたい人にとっては、市役所勤務が一番安心感があると思います。
まとめ
- 国家一般職:全国・ブロック内転勤+本省勤務の可能性あり
- 県庁職員:県内異動あり、県が大きいと負担も
- 市役所職員:市内のみで負担ほぼなし、ライフプラン◎
「出世・キャリア」の違い


国家一般職:専門スキルを武器にキャリアを積む
国家一般職は、配属先ごとの専門分野にしっかり腰を据えて取り組めるのが最大の特徴です。
法務局なら登記や戸籍、労働局なら労働政策、地方整備局なら道路や河川のインフラ整備、といったように分野がハッキリしています。
そのため、長く勤務するほど専門知識のスキルが積み上がりやすいです。
昇進して管理職になる場合も、その分野のエキスパートとして評価されることが多いです。
地方上級:調整力や対人スキルを強みに管理職へ
県庁や市役所の職員は、数年ごとの異動で多様な業務を経験するのが基本です。
そのため、専門性を深めるというよりも、調整力や対人スキル、幅広い行政知識が自然と鍛えられていきます。
特に市役所では住民との距離が近いため、コミュニケーション力がより重視される傾向があります。
昇進して管理職を目指す際も、こうした「人を動かす力」「幅広い業務をこなせる柔軟性」が評価されやすく、ゼネラリスト型のキャリアを歩みたい人に適していると言えます。
補足:転職・市場価値の観点から
公務員は「安定して長く働ける」一方で、転職市場ではそこまで評価されないという現実もあります。
- 国家一般職:専門知識は強みになるが、分野が限定されやすい
- 地方上級:調整力や対人スキルは鍛えられるが、民間では分かりやすく評価されにくい
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もちろん転職が不可能というわけではありませんが、市場価値という意味では「転職に強い職種」とは言えないのが実情です。
まとめ
- 国家一般職 → 専門性を磨き、特定分野のプロとしてキャリアを積む
- 地方上級 → 幅広い業務を経験し、調整力や対人スキルを武器に管理職を目指す
- 市場価値(転職のしやすさ)という意味では公務員は不利になりがち
採用試験の難易度・対策のポイント


国家一般職:筆記重視(約8割が筆記)
国家一般職は、筆記試験の配点が圧倒的に高いのが特徴です。
配点割合
- 教養試験 2/9
- 専門試験 4/9
- 論文試験 1/9
- 人事院面接 2/9
筆記試験の割合が全体の約8割なので、筆記が最重要な試験だと言えますね。
そのため、勉強量をしっかり積んで筆記を突破できるかどうかがカギです。
逆に言えば、面接が多少苦手でも筆記で点数を稼げば十分合格を狙えます。



「筆記に自信があるけど面接苦手な人」にとっては国家一般職のほうが合格しやすいです。
地方上級:面接重視(特に市役所)
地方上級は、人物重視の傾向が強いのが特徴です。
県庁や市役所では、面接の比重がかなり大きく、特に市役所では面接の印象が合否を大きく左右します。
その理由は、住民対応や地域の人と接する機会が多いため。
「この人は住民対応できるか?」「市の職員としてコミュニケーションが取れるか?」という観点で評価されやすいです。



筆記は一定レベルを超えればオーケーなので、あとは面接力を磨くことが合格するうえでの最重要ポイントになります。
詳しい地方上級対策は、【公務員試験】地方上級は難しすぎ?→実は努力で十分狙える!【体験談】で解説しています。
まとめ
- 国家一般職は筆記重視、地方上級は面接重視
- 筆記が得意だけど面接苦手 → 国家一般職向き
- 面接で自分をしっかりアピールできる → 地方上級向き
向いているのはこんな人【チェックリスト】


どちらが良いか迷ったときは、自分の性格や働き方の希望に合わせて考えるのが一番シンプルです。
ざっくりとタイプ分けすると、こんな感じになります。
- 専門分野を極めたい → 国家一般職
- 筆記に自信がある → 国家一般職
- プライベートも大事にしたい(残業少なめ希望) → 国家一般職(出先機関)
- 規模の大きな仕事に携わりたい → 県庁職員
- 住民と身近に関わりたい → 市役所職員
- 転勤を避けたい・地元に腰を据えて働きたい → 市役所職員(県庁職員)
- 調整力や対人スキルを強みにしたい → 県庁・市役所職員



もちろん絶対ではありませんが、自分の強みやライフスタイルに合った選び方をすることが、後悔しないコツかなと!
よくある質問(FAQ)
- 国家一般職と地方上級、どっちが人気?
-
正直、地方上級の方が人気が高いです。
理由はシンプルで「地元で働けるし、転勤も少ない」から。
併願して両方受かった場合も、地方上級を選ぶ人のほうが多いです。
- 国家一般職と地方上級を併願できる?
-
できます。
実際、ほとんどの受験生が両方受けています。
就活では「併願して選択肢を広げる」のがセオリーですので、ぜひ両方受けましょう!
- 難易度はどっちが高い?
-
ぶっちゃけ、難易度は同じくらいです。
ただし性質が違っていて、
・国家一般職 → 筆記重視(勉強量勝負)
・地方上級 → 面接重視(人物評価勝負)
なので、自分の得意不得意によって「難しい」と感じる方が変わります。
- 女性にとって働きやすいのは?
-
両方とも福利厚生は充実しているので、どちらを選んでも問題ないです。
産休・育休制度が整っており、長く働きやすい環境です。
結論:後悔しないためには「自分の軸」で選ぼう!


ここまで国家一般職と地方上級の違いを見てきましたが、結局のところ、どっちが良いかは「自分が何を重視するか」でしか決まりません。
どれだけ情報を集めても、最終的には「自分の軸」で決めるしかありません。
ぶっちゃけ、入ってみないと分からない部分も多いのが公務員の世界です。
だからこそ、説明会や職場訪問などで実際に働いている先輩職員の「生の声」を一度聞いてみてください。



パンフレットやネットには載っていないリアルな話を知ることで、「こんなはずじゃなかった…」という後悔をかなり減らせると思います!
最後に一言。
「どっちが良い?」と迷うこと自体が、真剣に将来を考えている証拠です。
焦らず、自分にとって納得のいく選択をしてください!
以上になります。



最後まで読んでくれてありがとうございました!
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